音楽療法とは
「音楽室ゆう」では、
「日本音楽療法学会」に所属し「学会認定音楽療法士」の資格を持って、
障がいのあるお子さんへの個別の音楽療法を行っています。
「日本音楽療法学会」では、音楽療法を以下のように定義しています。
音楽療法とは
「音楽のもつ、生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」
(日本音楽療法学会の定義)
日本音楽療法学会
音楽療法は、「ピアノを弾けるようになる」ことを目指すピアノのレッスンとは別の内容です。
障がいがあるが故に起こる様々な困難を、音楽を使ってより良い方向へつなげていくことを目的としています。
⇩音楽療法に関するブログ記事です。ぜひお読みください。
音楽療法の内容
音楽療法における「音楽」は、あらゆることを指します。
- 既成の曲を使うこともあれば、その場で即興でメロディーを演奏することもあります。
- ピアノを使うこともあれば、ベルや太鼓やマラカスや・・様々な楽器を使います。
- 歌うこともあれば、踊ることもあります。
- 自ら楽器を触るなど、積極的にかかわる場合もあれば、聴くことのみを行うこともあります。
その子のもつ特性、抱えている困難、目指すことなど、
ひとりひとりの状況に合わせた目標を立て、完全オーダーメードで内容を決めていきます。
年齢も、0歳から可能です。
知っておいていただきたいこと
音楽療法は、即効性のあるものではありません。
始めに掲げた目標を達成するまでに、数年を要するということもあります。
また、コミュニケーションに課題を抱えている場合は、お子さんと信頼関係を結ぶまでに数か月かかるということもあります。
しかし、強制感を感じさせることなく、お子さんのペースに合わせてゆったりと進めていける良さがあります。
そして、好みの音楽や音を使って行うことを基本としますので、療育の時間を楽しいひと時として過ごすことができます。
お願いしたいこと
音楽療法を行うにあたっては、対象となるお子さんの状況を詳しくお話しいただいています。
診断がされている場合は、診断名をお知らせください。
その他、現在の状況、好きなこと嫌いなこと、困難を感じていること、などを詳しくお話しください。
そうしたことを基に、目標を設定し、具体的な内容を決めていきます。
なぜ音楽を使うのか
音楽療法は、音楽のもつ特性を使って働きかけていきますが、その「音楽の特性」とは何か、以下に文献より抜粋しましたので、お読みください。
「治療道具としての音楽の特徴」(松井紀和著『音楽療法の手引』P.2より)
- 音楽は知的過程を通らずに、直接情動に働きかける。
- 音楽活動は、自己愛的満足をもたらし易い。
- 音楽は人間の美的感覚を満足させる。
- 音楽は発散的であり、情動の直接的発散をもたらす方法を提供する。
- 音楽は、身体的運動を誘発する。
- 音楽はcommunicationである。
- 音楽は一定の法則性の上に構造化されている。
- 音楽には多様性があり、適用範囲が広い。
- 音楽には統合的精神的機能が必要である。
- 集団音楽活動では社会性が要求される。
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