プロフィール

こんにちは。

中井 史子(なかい ふみこ)と申します。

以下に、経歴と、「音楽室ゆう」運営への思いをまとめました。

ぜひお読みください。

経歴

1970年8月生まれ 愛知県出身

2003年、夫とともに名古屋市から長野県松本市に移住。ここ北安曇郡池田町に居を構えて10年以上が経ちました。

夫と小学生の子との3人暮らし。

音楽歴

ピアノは、4歳から高校3年の夏まで続けました。

その後、好きな曲を気が向いたときに弾く程度に続け、社会人になって再び新たな先生の指導を受けます。

この先生に勧められヤマハグレード試験を受験。ピアノの先生になりたかった子どもの頃の夢がむくむくとよみがえります。

ピアノ以外では、中・高の部活動で経験した吹奏楽です。ホルンを吹いていました。

高校は当時の全国大会常連校。全国大会の舞台にも出演しました。

中・高合わせて約5年間の経験ですが、自分に大きな影響を与えた忘れがたい音楽経験です。

学歴

日本福祉大学社会福祉学部卒(音楽大学出身ではありません)

国際音楽療法専門学院卒

職歴

学童保育指導員10年

保育所保育士2年半(パート)

小児科病棟保育士4年半(非常勤)

を経て、2010年4月「音楽室ゆう」開室

資格

ヤマハ音楽能力検定試験 指導グレード5級

日本音楽療法学会認定音楽療法士

保育士

社会福祉士

現在の「音楽室ゆう」に至るまで

「音楽室ゆう」は、2022年で開室13年目になります。

これまで、いろいろと模索しながら続けてきました。

そして行き着いたのが、

主体性に基づいた音楽との関わりを大事にし、より充実した音楽体験に結びつくようサポートすること

という「音楽室ゆう」の理念です。

主体になるのは、ここに通っているみなさん。私は、「音楽をやりたい」と思っているみなさんの思いを実現するためのサポート役である、という立ち位置です。

こうした思いに至ったのには、原点となる過去の経験があります。

それをまとめることで、プロフィールに変えようと思います。

少々長くなりますが、どうぞお付き合いください。

「自己肯定感」を知った学童保育指導員時代

大学を卒業後、約10年間、名古屋市緑区にある学童保育所で指導員として小学生の子どもたちとかかわる仕事をしてきました。

学童保育所は留守家庭などの子どもたちのもう一つの”家”となる場所で、指導員は保護者の方たちと連携を取りながら、子どもたちの成長をサポートするのが仕事です。

1年生から6年生まで、60人を超える子どもたちと日々かかわる中、そのかかわり方として先輩指導員から教えられたのが、子どもの「自己肯定感」を大事にする、ということでした。

子どもたちの行動、発する言葉から、子どもたちの気持ちを丁寧に汲み取り、しっかりと受け止めること。

そして、決して否定をしないこと。

こうしたかかわりをすることを、徹底的に求められました。

⇩その当時の様子をこちらの記事でもまとめています。

また、子どもたちの集団生活の場である学童保育では、毎年お決まりのキャンプや運動会の他、サイクリングや公共交通機関を使ってのお出かけなど、様々な活動がありました。

こうした行事は、毎年決まっているようなものであっても、決して指導員からの「さあやるよ!」ではなく、子どもたち自身が「やりたい」のか「やりたくない」のかを考えることから始められました。

子どもたちから新たな「やりたい」があれば、どうすればできるのかを自分たちで話し合い、指導員は大人として分かっている知識を伝えるなどして実現への手助けをする、というスタンスでかかわっていきました。

子どもたちが主役。子どもたちの気持ちが第一。そうしたかかわりが、子どもたちの「自己肯定感」をはぐくむ。

このことを身をもって経験してきた10年でした。

もう今から20年ほど前のことです。

演奏の楽しさを知った吹奏楽部

私の音楽歴は、ピアノを習い始めた4歳に始まります。ピアノのレッスンは、高校3年の夏ごろまで続けましたが、中学、高校は吹奏楽部に所属し、のめり込みます。

音楽を演奏する楽しさを知ったのは、この吹奏楽部時代です。

とにかく楽しかった!

たくさんの音色の違う音が重なり合って、様々なイメージを作り上げていく合奏。一人一人が音に気持ちを込め、それが一つになって壮大な音楽を作り上げる。

そのことに、鳥肌が立つような感動を覚えました。

自分の気持ちを音に込めていく、その心地よさを経験したのはこの時です。

10年以上続けてきたピアノ。その半分の期間しか続けなかった吹奏楽。

でも、音楽を演奏する本当の楽しさを知ったのは、吹奏楽。

そのことに気が付いたのは、すっかり大人になり「音楽室ゆう」を立ち上げてピアノのレッスンをするようになってからです。

改めて「自分にとっての音楽」について考えてみたときです。

⇩そのときのことをこちらにまとめています。

ピアノのレッスンは決して嫌だったわけではない。楽しかったから10年も習い続けてきた。

でも、演奏する楽しさを感じたのはピアノじゃない・・って一体・・

自分が受けてきたピアノのレッスンに、少々疑問を感じるようになりました。

音楽と自己肯定感を結び付けた音楽療法

音楽療法との出会いは、学童保育指導員となって数年たったころです。仕事帰りに立ち寄った本屋さんでの立ち読みでした。

障がいのある人や高齢者、病気を抱える人など、様々な困難にある人を音楽で支える。

大学では社会福祉を学んだため、福祉と音楽が結びついているような内容にとても興味を持ち、その数年後、音楽療法を学ぶ専門校へ入学しました。

講義や実習を通じて勉強を重ねる中で、音楽は自己肯定感をはぐくむものだと学びます。

自分が心地よいと感じるように音楽と触れ合うことは、心の安定につながります。こうした経験を重ねることは、自分への安心感となり、自己肯定感となっていきます。

ここでも「自分が心地よいと感じる音楽」が重要で、主体になるのは「自分の気持ち」です。

模索だらけのこの10年

「音楽室ゆう」はピアノ・レッスンと音楽療法の2本柱で運営してきましたが、ピアノのレッスンのご希望の方が多く、主にそちらを行ってきました。

レッスンでは、テキストこそ今のものを使いますが、進め方は、やはり自分自身が受けてきたレッスンを再現するような形になりがちでした。

私が受けてきたレッスンは・・

先生の言われたとおりに弾き、練習し、○をもらって次へ進む。

メインテキスト+テクニックテキスト2冊(ツェルニーとハノン)+曲集、といった具合に数冊を常に持ち、先生の指示通り進めていく。

”表現”についても同じで、楽譜に書かれていることに従って、先生の言われるように弾く。

思い返してみて、こんな感じだったという認識です。

実際弾けるようになったわけなので、自分がレッスンするときも同じようなやり方になっていました。

でも一方で、学童保育での子どもたちとのかかわりの経験、音楽療法を学ぶ中で感じた音楽そのものの持つ意味、吹奏楽での経験が思い出され。

また、友人やレッスンに通う子の親御さん、姉妹サイトとして運営しているブログへのコメントの

「子どものころ習っていたピアノのレッスンは楽しくなかった」

という言葉も、心に大きく引っかかり。

こちらから一方的に教える形でいいのか・・?

そもそも、この子たちは楽しんでる?

といった、腑に落ちない、手ごたえが感じられない、不安感・・が入り混じった気持ちを感じつつのレッスンでした。

それを変えようと、子どもたちの本音を知るためアンケートを取ってみたり、実際に話を聞いたり、やりたいということを取り入れたり・・。

そうしつつも、これをやらないと、あれをやらないと弾けるようにはならない、という焦りもあり・・

そのまた一方で、本人のやりたいことを全面的に取り入れてみたら、とても生き生きと楽しそうに弾いている、という様子を目の当たりにすることもあり・・

そうした状況を経て、改めて、自分は何を大事にしてどのようなレッスンをしたいのか、をじっくり考えてみました。

その結果まとまったのが、最初に載せた「理念」です。

これからの「音楽室ゆう」は・・

これから先、まだまだ「音楽室ゆう」を続けていくつもりです。

迷いつつ悩みつつだったこれまでの10年を経て、自分のしたいことの方向性が見えてきたこれから先、何を大事にしたいのか・・

レッスンを受ける側が主役

楽器の習得は、師弟関係によって継承されていくのがもともとの流れだと思います。その人の演奏や音楽に対する姿勢などに共感し、弟子入りをして教えを乞う、という形ですね。

つまり、上下の関係ということになるかと思いますが、「音楽室ゆう」では、私自身は下から支えるような立場でありたいと思っています。

どんな曲が好きか。どんな曲をどんなふうに弾きたいか。

音楽以外では何が好きで、どんな毎日を過ごしたいのか。

子どもたちにだって意思があります。ピアノ以外の生活があります。

まずはそれを汲み取って大事にし、その上で、大人として、音楽を続けてきた人として分かること、知っていることを伝える。

そんなスタイルでレッスンを行っていきたいと考えています。

音楽療法では、療法を行う人(私)と療法を受ける人の関係はそもそもそうした形です。音楽を使ってしっかりと支え、それによって良いと思われる方向への変化を促していきます。

ピアノを弾く、音楽とかかわる、ということで得られる喜びは大きいですが、人生において必ず必要なことではありません。

レッスンを受けよう、という思いは本人の意思から始まるものだと思いますし、そうであるなら、レッスンそのものに対しても主体的に臨んでほしいと思います。

その主体性を引き出し、受け止め、大事にして、レッスンをしていきます。

音楽で自己表現をする

自分が子どものころ受けてきたレッスンでは、ピアノを弾く技術ばかりを教わってきた、という思いが強い中、音楽に自分の気持ちを込めていくことをもっと伝えていきたいと強く考えています。

音楽の演奏は自己表現です。

自分の出す一音一音に自分の思いを込めていく、そのことがとても心地よく楽しいことです。

音楽を演奏するだいご味はここにあります。

せっかくピアノを習いに来ているのだから、ピアノのレッスンの中でそれをしっかりと伝えたい。

その楽しさを感じてもらうことが、理念にも掲げた「充実した音楽体験」ということになります。

でもこれって結構キツイことでもあります。自分と向き合うことになるので。

恥ずかしさもあって、表現できない、ということもありますね。

そういう気持ちも受け止めながら、演奏することの本当の楽しさを感じてもらえるレッスンをしたいと考えています。

長い文章をお読みくださり、ありがとうございました。

演奏

私自身のピアノ演奏を少し載せます。参考にご覧ください。

YouTubeチャンネルを持っています。