「音楽室ゆう」では、発達障害のあるお子さんの個別音楽療法をしています。
デリケートな事柄が含まれるので、ブログでは詳しい様子をあえて紹介していません。
でも、今回は、とっても嬉しかった出来事をちょっとだけ書きたいと思います。
音楽がその子の新たな一面を見せてくれた
おしゃべりはたくさんするけれど、「会話」が難しいこの子。
これまでは、私が様子を見て察して関わっていき、それに応じてもらえるか、もらえないかで気持ちを判断していました。
具体的な好みの曲があるとの情報をお家の方からいただき、ある映画音楽を私がピアノで演奏し、聴いてもらいました。
その子自身は実際に映画を観ていて、だから好きになった曲ということ。
私はその映画を観ていなかったので、演奏後「どんな映画?」と同席していたお家の方も交えて話をはじめました。
すると、「(映画の)内容はね・・内容はね・・」と、身振りを交えて私に話そうとする様子が!
それ以上言葉は出てきません。でも、一生懸命映画の話をしようとする様子。
言葉が出るかどうか、が重要ではないんです。自ら相手に気持ちを伝えようとしている、ということ。
これは、これまでにはなかった、新たな一面です。
こちらからの一方通行ではなく、返そうとしてくれた。うれしかったですね~~。
「気持ち」を動かす音楽の力
音楽は、聴く人の気持ちに直接作用します。
これは、音楽の大きな特長です。
音楽療法士は、そのことを考慮して、使う音楽をよ~く吟味します。
間違った曲を使うと、悪影響になることもあるので。
今回は、「この曲が好きなようだ」と事前にお聞きしていて、映画を観たということも聞いていました。
その曲をまた聴けたことで、映画のイメージがわ~~っとよみがえり、気持ちを伝えたくなったのだと思います。
音楽の力を改めて感じた一場面でした。