「音楽室ゆう」では、レッスンを受ける人主導でレッスンを行っていくことを大事にしています。
レッスンしたい曲も、基本的には自分で決めてもらっています。子どもでも、もちろんそう。
実際には、レッスンの中で一緒に相談しながら決めることが多いですが、今回は、「これ!」と自分で決めてきた子のお話です。
次の曲 普段の決め方
テキストと曲集、そしてテクニックテキストの3冊を使ってレッスンをしているこの子。
テキストを順番に進めたい、ということで、しばらくそのようにしてきましたが、1つ曲が終わったタイミングで「次はどうする?」と聞くと、「曲集をする」という返事。
曲集は、『おさるのお話』。この曲集の中の曲を発表会で演奏したのを機に、購入してもらっていました。
この中ならどの曲にしても弾けるだろう、というくらいの力はあります。
だからといって「好きなのを選んでいいよ」と言われても、曲が分からないと困るよね。
ということで、題名から気になるものを選んでもらい、それをこちらで演奏して決めてもらいました。
この子に限らず、次の曲を決めるときは、みんなたいていこんな感じです。
楽譜を見ただけでメロディーが分かる・・大体の曲の雰囲気、難しさが分かる・・
というところまではまだなかなか・・・実際にどんな曲かを聴くのが一番決めやすいですよね。
次の曲は自分で決めてきた!
そして、そんな感じで決めた曲もレッスン終了。さあ、次はどうする?となりました。
テキストにもどってもいいし、この曲集を続けてもいいし・・
まだ、これ(曲集)からやる
との返事で、曲集を続けることになりました。
でも、この日はもう時間切れ。決めることはできません。
決めるのは次回にしよう。題名とか見ていくつか選んできてね。それを弾いてみるから。
そして、次のレッスン日。
曲を決めようか。楽譜見てみた?
うん、これにする。
「曲を決めた」という状態で、楽譜を開いてくれました。しかも、弾いてみたとのこと!早速弾いてもらいました。
もちろんスラスラとはいきませんでしたが、何とか全部を弾きました。
弾いてみたことで難しい部分が分かり、次に何をやるべきか、自分で見通しを持つことができました。家での練習内容も自分で決めましたよ。
ついに自分で決めてきた!
私、うれしかったですね~。ついに自分で決めてきたか!と思いました。
私のレッスンの見通しとしては、
題名や楽譜を見て「いくつか候補を挙げる」ということがまず難しいだろうな・・いちから一緒に決めることになるかな・・
と考えていて、これと、これと、これと・・と、本人の好みそうなもの、今の力に合ったものを数曲選んでいました。
結局、全く違ったものを本人は選びました。ちょっと難しめではあるけれど、この曲集自体がほぼ本人の力に合ったものなので、すんなりこれでオッケー。
この曲にした理由も教えてくれ、家で楽譜を開いて、弾いて、これにしようと自分で決めた、ということが、何よりです。
ピアノを弾くのは自分だから
ピアノを弾くのはレッスンに来ている自分自身です。なので、できるだけ決められることは自分で決めてほしいです。
これやりたい?あれはどう?あなたはどうしたい?
私、かなりしつこく聞いていると思います。
それをちょっと負担に感じてしまう子もいるかもしれません。
それが少々心配になったりもするんですが・・
でも、ピアノに対して、受け身ではなく意識的にかかわってほしいんです。
だって弾くのは自分なんだから。
よっぽどのことがないと「ダメ!」とは言いません。なので、安心して、勇気をもって、やりたいことを言ってください!
そう思っています。