音楽は芸術です。芸術は表現することです。
ピアノを弾くことの楽しさは、表現することの楽しさだと私は思っています。
そこのところをどんなふうに伝えているか、ちょっとまとめてみます。
「この曲のどこが好き?」
必ず聞くのは、このこと。
この曲のどこが好き?
レッスンする曲も、発表会で演奏する曲も、基本的に自分で決めてもらうので、どこかしら気に入っているところがあるはず。
たいてい、具体的に「この辺かな~」という返事が返ってきます。
そうしたら
じゃあ、「ここが良いんだよ~」「ここが好きなんだよね~」というのが伝わるように弾こう!
と話します。
そうすると、それだけで少し演奏が変わりますね。
丁寧な弾き方になったり、音が大きくなったり。
それから、具体的に、「こうするとこんな感じになるよ」「こんな風に弾くといいよ」ということを伝えていきます。
曲のイメージを持ってもらうこと
もう一つは、曲のイメージを持ってもらうこと。
楽しい感じ?さみしい感じ?うれしい感じ?こわ~い感じ?・・・
これは、新しい曲を始めるときに書いてもらうシートに、ちゃんと項目が作ってあります。
これは基本中の基本ですね。
それが無ければ「表現」はできない。大事なことです。
私がたくさん弾いて聴いてもらうこと
私が弾いてそれを聴いてもらうことも、大事なことだと思います。
私だったらこんな風に弾くよ、ということですね。
イメージがあっても、具体的にどうしたらいいのか分からない。
そういうこともあります。
ということで、聴いてもらいます。
具体的にいろいろと説明しなくても、それだけで、演奏がぐっと変わることも多いです。
とても抑揚がついたり、淡々とした感じだったのが軽やかになったり。
口で説明するより早いし、伝わりやすいですね。
表現しようとしていることを否定しない
一番大事に考えているのは、表現しようとしていることを否定しないことです。
音楽の感じ方はそれぞれ。
こうしなければいけない!ああしなければいけない!ということはないはず。
そんなあいまいさが、音楽のいい所です。
弾いてくれたものに対して、「こうしなければいけない」ということは一切言いません。
「どうしたい?」
とは聞くけれど、
「こうしなさい!」
とは言いません。
だから、みんなには安心して、自分の思うまま弾いてほしいなと思います。