「何が弾きたい?」といっぱい聞きます

「音楽室ゆう」は、「やりたいことがやれる」ということを大事にしています。

なので私は、「何が弾きたい?」ということをたくさん聞きます。

こちらから聞かなくても、どんどん言ってくれる子もいます。

こちらから聞いても、なかなか話さない子もいます。

それぞれなのですが、とにかく私はしつこく聞きます「何が弾きたい?」

それは、やっぱり「受け身のレッスン」はしたくないからです。

「受け身のレッスン」は自分自身が見えなくなる

私自身が受けてきたピアノのレッスンを振り返ると・・・完全に「受け身のレッスン」でした。

先生の言われるとおりに弾き、言われるとおりに練習しました。

普段のレッスン曲はもちろん、発表会の曲も自分で選んだ覚えは皆無です。

自分から、こんな曲ををやりたいと言ったこともありませんでした。

今から40年ほど昔の話で、当時としては当たり前のレッスンだったと思いますし、言われたことを疑問も持たずきちんとやる、という真面目ちゃんでしたし。

でも、大人になってはたと気づきました。

「自分の演奏には、”自分”がない」

単に「楽譜を再現しました」という演奏です。面白味も何もない。

速さにしても強弱にしても、自分の「こうしたい」という気持ちの入ったものではないんです。

そして、ある時、

「そっかあ、もっとこう・・素直に自分の思いを込めていけばいいんだ」

それに気づいてから、断然ピアノを弾くことが楽しくなりました!

完全に大人になってました・・遅すぎです!

方法の一つは「好きな曲を弾く」

今レッスンに来ている子たちには、こんな風になってほしくないなあ、と強く思っています。

ず~っとピアノを続けてきたのに、大人になってから、ピアノを弾くことの本当の楽しさを知るだなんて・・

レッスンを受けている今この時から、「ピアノを弾くのって楽しい」と思ってほしい。

そのための方法の一つが「自分の好きな曲を弾く」ということだと考えています。

好きな曲はその曲への思い入れが違います。こんな風に弾きたい、というイメージも持ちやすいです。

むずかしい曲でも「やってみよう!」という積極的な気持ちになりやすいですよね。

そして、案外弾けちゃったりします。

弾けると、当然うれしいです!楽しいです!またやってみよう!と思えます。

この、前向きな明るい気持ちが大事だと思っています。

「音楽室ゆう」では、発表会の曲だけではなく、普段のレッスン曲も「やりたい曲」をどんどん取り入れています。

1曲終わるごとに、「次は何弾く?」と相談です。

特にこれというものはない、という場合でも、私がいくつか紹介して選んでもらいます。

そこは、こだわっていることの一つです。

好きな曲を「この曲好きなんだよね~」と思いながら弾く。これが楽しいんです。

「子どものころピアノのレッスン嫌いだった」にならないように

「子どものころピアノのレッスン嫌いだった」という声、けっこう多く聞きます。

レッスンに来ている子の親御さんから聞くこともありますし、私の友人にもいますし、姉妹サイト「だいすきおんがく!」のコメント欄にもいただいたことがありますし。

多いな~という実感を持っています。

その理由は色々だと思いますが、一つは、「好きな曲をやらせてもらえなかった」ということです。

この曲が弾けるようになったら、次のページの曲をやるんでしょ。延々とこれが続くのか~

先が見えない・・。失望感。

そんな感じのようです。

ピアノは、弾ける技術を身につけるのがすごく大変です。何年もかかります。

教える側は、私も含めて、どうしてもまず弾けることを重視しがちです。

でも、演奏する楽しさそのものを感じてもらえるようにするには、「弾きたい曲を弾きながら技術を上げていく」ことが必要ですね。

私もまだまだ模索しながらですが、そういうレッスンをしていきたいと思っています。

そのためには、まず「何弾きたい?」なんです。「やりたいことをやろう」なんですね。

これからもしつこく聞いていきます。

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