現代、ごく普通に日常で聴かれる音楽には、ほぼすべてに「調」があります。
「調」というのは、ハ長調、とか、ニ短調、とかいうものですね。その曲に使われている音を示したものです。
この「調」というもの、しっかりと理解するにはなかなか複雑で難しいものではありますが、音楽をやるなら必須だと思っています。
なので、ピアノレッスンの中では「必ずやるもの」として組み入れています。
曲のレッスンで必ず確認
新しい曲に入ったときにその曲の基本情報をシートに書き入れてもらいますが、その項目の中にその曲の調を書き入れる欄を作ってあります。
なので、その曲の練習を始めるときにはその曲の調を知っている、という状態になっています。
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そして、曲のレッスンをするときには、毎回、まずその曲の調を確認することから始めます。調の名称の確認をし、その音階を弾いてもらいます。
この曲はこの音でできているんだよね、ということをしっかりと認識し、頭を切り替えるためです。
基本的にはテキストに沿って
ピアノレッスンは、基本的には市販されているテキストを使い、それに沿って進めていきます。
なので、テキストの中で調についての内容が出てきたときに、それに合わせて話をしていきます。
でも、テキストによって、とても早くから取り組むもの、なかなか触れないものと色々です。
なので、テキストの中で出てきていなくても、好きな曲をやりたいということでテキストから離れたり、曲集へ移行したりした時には、そのタイミングで調についての話をしていっています。
音階テキストを使いながら詳しく
レッスンがある程度進み、バイエル(は使っていませんが)終わりくらいかな・・というレベルになったら、音階のテキストを使うことをお勧めしています。
そこで、色々な調の音階をどんどん弾いていってもらいます。
それまでは、やることになった曲の調を確かめる、という程度だったものを、曲に関係なく様々な調を知ってもらう、ということですね。
指練習も兼ねて、毎回時間を取るようにしています。
そして、調号の付き方、調号を見て何調かを知る方法、様々な調の関係性などについて、頃合いを見て説明をします。
先日も、レッスンの中で時間をもらって、
- ♯の付く順番
- ♯系の調号を見て何調かを探す方法
- 音程の数え方
- 五度圏
について、各10分くらいずつ2回に分けて話をしたところです。
*こういう時は、「調についての説明をしたいので、時間をください」と事前に話をします。
こういったことを知識としてきちんと知っておくことが、自分一人で何か曲を練習しようとなったとき、ただ楽譜をなぞるだけではなく、より深く感じることにつながると考えています。
「調」は音楽の重要な法則
音楽って、その人の感性のまま自由につくられているように感じますが、きちんとルールがあり、法則があり、それにのっとっているから「いいね」と感じるんですよね。
もちろん、中には斬新なものもあり、そういう音楽が新たな法則を作っていく、ということもあるんですが。
調は、音楽の歴史の中で整えられてきた重要な法則の1つです。
でも私は、何を隠そう、その法則をよく理解しないままピアノを弾いてきた一人です。
音階練習はしましたが、弾くこと止まり。練習している曲の調を確認したり、それぞれの調の関係性を学んだりした記憶はありません。
大人になってからついた先生に教わり、その重要性を感じて「なんで教えてくれなかったの??」と。
なので、レッスンではきちんと教えたい。
音楽をやるなら、知っておくべきことだと思っています。