先回は、ピアノレッスンで実際に曲のレッスンをするときにまずやること、という内容で書きました。
⇩こちらですね。
いきなり弾き始めるのではなくて、曲の全体像や、自分の曲への思いなどをシートに書き込むことから始めています。
今回は、それが終わって弾く段階になったら、どう進めていくのかをまとめます。
その曲の音階⇒初めから両手
シートへ書き込むことが終わり、さあ弾いてみよう!とピアノの前へ。
そしてまずやることは、その曲の調の音階を弾くこと。
音階については、テキストを別に使って時間を取ってやることも多いですが、それとは別に、曲を弾く前にその曲の調の音階を弾いてもらいます。
それで、頭をその調へ切り替えるんですね。
その後、いよいよ曲を弾いていきます。
その時に大事にしているのは、「初めから両手で弾くこと」です。
まず右手部分を弾いて、次に左手部分を弾いて、それぞれスムーズになったら両手で弾く。というやり方はしていません。
理由はズバリ!効率が悪いから。
ピアノ曲は、右手で弾く音、左手で弾く音、そのすべてが合わさって一つの曲ができています。
結局は両手で弾くことになるわけなので、初めからそうしていきます。
楽譜の見方も、視野を広くとって、初めからいろいろな部分に目が行き届くようにすることを目指します。
音の流れ、指づかい、様々な記号・・そうしたものにすぐに気づくようにということですね。
また、弾いているときの意識の向け方も、片手で弾くときと両手で弾くときとでは違います。当然、両手で弾くときは両方の手を意識しなければいけません。
それをはじめから感じてもらうということですね。
短く分けて進めていきます
いきなり1曲すべて両手で弾く、ということではありません。
シートで曲の構成を確認しているので、一つ一つのまとまりごとに分けて進めていきます。
ある程度スムーズに弾けるようになったら、次のまとまりへ入る。そんな進め方が多いですね。
進め方もその都度相談しながらなので、ある程度弾けるようになっても「もっときちんと弾けてからにする!」ということならまだ次へは入りませんし、とにかく全部弾いちゃいたい、という子もいますね。
片手練習ももちろんします
どんどん両手で弾いてもらうからといって、片手ずつの練習をしないということではありません。
左右それぞれの音の流れをきちんと把握するためだったり、指づかいの確認だったり、間違えやすい部分の練習だったり・・
片手ずつ弾く必要のある場面はたくさんあります。そうしたときは、しっかりと片手で弾いてもらいます。
でも、片手練習だけに終始するということはありません。両手で弾いた時の意識の向け方があるので、片手練習の後は必ず両手で弾いてもらいます。
結局は両手で弾けなければいけないので。
いきなり両手はなかなか大変・・でも
初めての曲をいきなり両手で弾く、というのは、なかなか大変なことではあります。
もちろんスラスラとはいきませんので、楽譜を見てつっかえつっかえ一生懸命弾いていくのを、私もじっくり待ちます。
でも、ここではそれが当たり前になっていて、みんな両手で弾き始めますね。
とにかく両手で弾いてみて、楽譜の見方、意識の向け方をしっかり体感してほしい。
それが曲を効率よく仕上げていく近道だと考えています。