「音楽室ゆう」のピアノレッスンは、市販のテキストを使って、順番にレッスンを進めていくことを基本にしています。
基本にはしていますが、だんだん使わなくなっていく子、いるんですよね~
はじめは使っていました でも・・・
「音楽室ゆう」は、大きくピアノレッスンと音楽療法の2つに分かれます。
たいてい「ピアノレッスン」で入会になります。ということは、テキストを使って音符を読み、リズムを理解し、指使いを覚え・・
”楽譜通りに弾く”ということをくり返し、だんだんと難しい曲、よく知られている曲を自分なりの表現で弾いていく、
という流れで進んでいきます。
これが、一般的なピアノのレッスンだと思います。
でも、だんだんとそこから離れていってしまう子もいます。
テキストから離れるってこんな感じ
はじめはテキストを開いて弾いていても、そのうちピアノから離れて立ち歩き、他の楽器を触り、鳴らし・・・
学校で覚えた歌をうたったり、探り弾きで弾いたり・・・
マイブームの音楽について熱く語り・・・
そんなレッスンが続き、ピアノ以外のことをしている時間が伸びていきます。
常々「ムリにピアノを”させる”必要はない」と思っている私は、そんな状態になっても「ピアノに戻そう」ということを積極的にはしてきませんでした。
ピアノはほとんど触らなくても、何かしら音楽に関係したことをしているし、楽しそうだし・・
やっていることにある程度付き合いつつ、ピアノに戻るのを待つ、という対応をしてきました。
「ピアノのレッスン」ということで来ている以上、完全にピアノから離れてしまうようなことになるのはまずいな・・
でも、無理に戻すのもいいことなのか・・
本人たちもそう思っていたのか、全くピアノに触らない(テキストの曲をやらない)ということにはならなかったです。
迷いつつ、悩みつつ・・なんとも中途半端な状態でした。
テキストから完全に離れてしまった「今」の様子
そんな状態を経て、今。テキストを開いて順に曲を弾いていくような、一般的なピアノのレッスンとはかけ離れてしまいました。
どんなことをしているかというと・・・
親子で一緒に
お母さんも少し音楽をやるこの子は、お母さんと一緒にやりたい曲に取り組んでいます。親子で相談して曲を決め、楽譜も用意してきました。
曲は流行りの(私は知らなかったけど・・)J-pop。
本人は単音でメロディーを弾き、お母さんは伴奏で一緒に演奏です。
ママとやるの楽しい~~。次の発表会でこれやる!
うんうん、それもいいね!って発表会1年後だよ(昨年12月に終わったばっかりです)
なんて話もしながら、とても集中して一生懸命です。
私は何をしているかというと・・
音を読んでもらい、リズムを確認し、指使いを伝授し・・
といった具合。
自分たちではできない、分からないことをサポートしています。
え⁉ピアノじゃなくてギター⁇
ある子は
この前、友だちをちょっとギターやったんだ!
ギターならあるよ一応。使えるかなあ・・・・
二人で「こうかな、ああかな・・」とキャーキャー言いながら、よく分からないまま調律をし、「友だちとやった」という曲を、本人はギター私はピアノで一緒に演奏しました。
ちゃんとできたわけでは全くなかったけれど、私としてもなんだか楽しいひと時でしたね。
「音楽室ゆう」にまあまあ長く通ってくれているこの子ですが、今はあまりピアノは弾きません。テキストも、これというものはしていません。
ピアノは型にはまらず自由に弾くのが好き!です。
正直、いわゆる音楽にはなっていないのだけど、ピアニストの様に陶酔して弾きます。
自分の中に明確なイメージがあって、聞くと細かく説明してくれる。面白いですね・・。
他に、今気に入っている曲について語ってくれたり、一緒にうたったり。
もともと合唱曲が好きで、私が伴奏をして思いっきり歌う、ということもよくしていました。
今は「不定期レッスン」という形になっていて、時々思い出したようにふらっとやってきます。
不思議と「辞める」という話は出てきません。
ここに来ることが、本人にとっていい気分転換になっているのかな。
お母さんからも、以前そのようなお話がありました。
本当にやりたいことをやる
だんだんといわゆる「ピアノのレッスン」が成立しなくなっていくこと、始めのうちはずいぶんと悩みました。
こんなんでいいんだろうか・・
でも、本人は楽しそうだし・・
やりたくないことをやらせるっていうのも、どうかと思うし・・
悩みつつ、だんだんと行き着いた今の状態です。
上に書いた子たち、音楽は好きなんです。
でも、一つ一つクリアさせながら「ピアノを弾けるようになる」ということを望んではいないようです。
もっと早く気付き、悩むことなく関われていたら、さらにいろいろな音楽の取り組みができたかも、と思いますね。
音楽との関わり方はいろいろ。
やりたいこと、をしっかり引き出して、こうした場もきちんと保証していきたいと思います。