レッスンの中でもつい言いがちになる
「練習しないと弾けるようにならないよ!」
これ、意味としては当たり前のことを言っているんですが、あまり良い言い方ではないですよね‥。
「練習しないと弾けるようにならない」は”おどし”
「練習しないと弾けるようにならない」という言葉。
これは、脅し文句(ちょっときついですが)の構造になっているんですよね。
「弾けるようにならない」という、本人にとって不利な条件を出して、「練習させる」というこちらの要求を通そうとしている
ということになるので。
言う方は、脅しているつもりは全然ないですよね。確かにその通りですし、弾けるようになってほしい、という気持ちだけ。
でも言われる方は、あまりいい気持ちは持たないですよね。
脅されてる!とまでは思わないでしょうが、余計に練習する気をなくす。
「別に弾けるようにならなくたっていいもん!」なんていう気分になる。
逆効果ですね。
言葉の順番を変える
じゃあ、どうすればいいのか・・
単純なことなんです。言葉の順番を変えるんです。
つまり・・
「弾けるようになるから練習してごらん」
「弾けるようにならない」を「弾けるようになる」という肯定的な言い回しにして、先に持ってくる。
そして、そのために「練習してごらん」。
これだけで、言われた方は
「弾けるようになるんだ。じゃあ、練習やってみようかな」
という気持ちになるんですよね。
肯定的で具体的な未来を見せること
ポイントは、肯定的で具体的な未来を見せること、なんですね。
実は、先日のレッスンで、なかなか弾けない子に対してちょっと言ってしまったんです・・
う~ん、あんまり練習してないんだね・・
練習しないと弾けるようにはならないよ
あ!いけない、いけない!!と思い直し、
でも大丈夫!絶対に弾けるようになるよ!
だから練習してごらん
それを聞いたとたん、それまで弾けないことにイライラした様子だったのが、ぱっと気持ちが切り替わったような表情をしたのが印象的でした。
よし!じゃあ、ごほうびも付けちゃう!
ということで、次のレッスンではちょっとしたごほうびも準備して待ってるよ、ということになりました。
この子は小学校の低学年ですが、そのくらいの年齢では、より具体的なことをイメージしやすい、という発達段階にあります。
そういうことからも、できるだけ具体的な像を示すことは大事。
そして、「弾けるようになる」という肯定的な状況と、それにプラスして具体的な”物”もあると、やる気になりますよね。
「魔法の言葉」は簡単だけど難しい
ただ、言い回しを否定から肯定に変えただけ、という「魔法の言葉」。
それが結構難しいんですよね。
仕事(つまりレッスン)の中ではとても気を遣うようにしていますが、日常の子育てでは言ってますね~~。
言ってしまってから、「あ!今の言い方は”おどし”だ」と思う。
レッスンでも子育てでもテーマとしている「自己肯定感」に通じる部分なので、より一層大事に考えていきたい言葉の使い方ですね。